\あのアイデアが実現化?!/準グランプリ作品の制作打合せに潜入してきました⭐︎(こんなんあったらええな。アイデアコンテスト)

今年1月に、応募総数184アイデアのなかから選出された18作品が一堂に会した「こんなんあったらええな。アイデアコンテスト」決勝プレゼン大会@セブンパーク天美。

準グランプリ(企業賞)を受賞したあやねさんのアイデア「菜園用の虫除けネット」

お題(金網を使ったみんなが驚くお家で使える便利グッズのアイデア)をご提供くださったマツバラ金網株式会社の東田社長が授賞式で仰ったこの言葉
「せっかく頂いた貴重なアイデア。何らかのカタチにはしたい!」
なんと、本気も本気!
マツバラ金網さんは、SDGs「地球にやさしい商品であること」を意識されているため、あやねさんのアイデアはとても親和性があった。
また松原市民(それも小中学生!)と一緒に新商品化に取り組むこと自体に意味があり、それが製品にでもなれば、松原の活性化につながるのではないかー
そんな大変な想いと熱意を持って、東田社長自ら舵を取り、社を挙げて取り組まれています!
第一回の打合せは3月に実施されていました。

あやねさんのアイデア「菜園用の虫除けネット」を考えるに至った出来事
- どんな野菜が虫に食べられやすいのか
- 自作した虫除けネットではなぜ使いにくいのか、どんな形状だと使いやすいのか
そんな製品化には最重要といえるユーザー目線の意見を、とても詳細にまた熱心に東田社長・担当者の三輪さんよりヒアリングされたそうです。

その上で、マツバラ金網さんより「ここを一緒に考えていきたい」と出た課題がこちら
- 材質はステンレスであれば外に出しっぱなしでも錆びないけれど、含有されているニッケルが水に流れ出ることによる害(アレルギーなど)が心配。
- 虫(主にバッタ)に葉っぱが食べられない目的でのアイデアではあるが、では葉っぱを食べれなくなったバッタはどうしたらいい?
- せっかくならば不格好なものよりデザイン性があり、使いやすいものにしたいけれど、ではデザインは?色は?形状はどんなのがいい?
「ん〜〜〜!難しい!!」
この課題を聞いた私も唸ってしまいましたが、マツバラ金網さんはこう続けます
「製品化に急いでいるわけでもなければ、絶対に売れるものを作らんと!と思っているわけじゃ正直ないねん。
一緒に取り組むことがやりたいことやねん。ゆっくりでもカタチにしていきたいよね。」
第一回目の打合せから約5ヶ月。
8月某日、アイデア提案者のあやねさんと第二回目の制作打合せをされると聞きつけ「記事にさせてください!」と突撃潜入してきましたので、皆さまへもお伝えします!(見学者なのに「へぇ〜!」「なるほど〜!」「う〜難しいな〜!」と思わず何度も声が出た熱い1時間半でした。)

挨拶もそこそこに、東田社長からの新製品開発案のプレゼンで打合せがスタート!
第一回目の打合せでのヒアリング内容や、その後のあやねさんとのやり取りのなかでえられた「こんなんあったらええな。」を具体的に「できる・難しい・要検討・もっと具体が欲しい」に整理し、提示くださった。

「さすが」その一言でした。
金網のプロ
爆発的に売れるものを、とは思っておられなくとも、世に出す自社製品。妥協のある下手なものを出す気はさらさらない。
金網だからできる特徴を持った、伝統ある松原の地場製品としてのプライドを体現化する製品にしたい
長年の経験と確かな技術を惜しみなく新製品開発に注ごうとされているマツバラ金網の心意気を、ひしひしと感じました。
「どんどん松原市の人口が減ってきているやん?あやねさんのように、松原市で生まれて育ってずっと住んでいるって人がとっても少ないねん。
外の人にも“松原っていい町ね。”と思ってもらえるような取り組みにならないかなぁ〜と思っててね。」
プレゼンの最後に東田社長が松原市への想いをお話しくださった際のこの言葉。生まれも育ちも松原市、一度外には出たものの、子育ての場として松原市を選び戻ってきた私には、心にグッとくるものがありました。(東田社長も松原生まれ松原育ち☆)
「試作品を作ってみたから一度家で使ってみて!」
先のプレゼン内容をカタチにされた試作品を見ながら・触りながら「もっとこうしたらいいかな?」「ここはもうちょっと考えてみる必要があるよね?」などと議論がスタート。

- 虫が入らないようにしたいけれど、金網の目を細かくしすぎると日光が入りにくくなる(影になる)野菜の育ちに影響が出る可能性がある
- 実をつけるためには虫(蜂や蝶)に花粉を運んでもらうことが必須な野菜もある
- どんな野菜にも使えるものにするには大きなサイズの方がいいけれど、使わない冬などに収納に困る
これらの課題について、話し合いが続けられたが、とてもではないが1時間少しでは終わらない!
ユーザー目線が第一!感じたこと・気づいたことをどんどんあげて欲しい
あやねさんへ試作品を託され、第二回目の打合せが終了しました。

「こんなんあったらええな。アイデアコンテスト」へマツバラ金網さんが参画を決めてくださった際の東田社長のこの言葉
「金網屋の自己満足にはなりたくないねん」
どんな小さな気づきや要望にも耳を傾け、熱心にメモをとり、またそれを叶えるにはどうしたらいいかー社長をはじめ担当者の三輪さん、製造部の方々みなさんで一生懸命に考え試作されている。
ユーザー目線第一。松原市民と一緒に松原市の活性化をめざして。
マツバラ金網さんの絶対的なこのスタンスから、東田社長がぽろっと口にされていたあの言葉の“意味”を強く感じた打合せ現場でした。
「未来の子どもたちが笑顔で愛用してくれる何かを一緒に創り出したい」という希望を持って、コンテスト企画に参画してくださったマツバラ金網さんと、
「虫が苦手!野菜に虫がたくさんついているから食べたいのに避けてしまう」という悩みを持った松原市の小学生あやねさんがマッチし、
「子どもも笑顔で野菜を育てて美味しく食べれる金網製の虫除けネット」の製品化をめざして、今まさに奮闘されています。今後の動きにも要チェックです!!⭐︎
(運営側として、こんなに感動的なことはありません。泣)

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「こんなんあったらええな。アイデアコンテスト」決勝プレゼン大会@セブンパーク天美についてはこちら
Writer
松原市観光協会 岡田