松原市観光協会・西田理事インタビュー

  • x
  • line
  • facebook
アバター 松原市観光協会・編集長 真本

この度、松原や南河内地域で活動する方を取材する、「人」にフォーカスした特設ページを公開しました。

今回は松原市観光協会・西田理事のインタビュー内容をお届けします。

松原の歴史を紡ぐ語り部——西田孝司氏が描く文化と未来

松原とともに歩んできた人生

「松原市は私にとって親であり、すべてです。」——そう語るのは、松原市観光協会理事であり、松原市文化財保護審議会会長、松原市郷土資料館館長など、多くの役職を務める西田孝司氏だ。昭和22年12月27日生まれ。生まれも育ちも松原。

「生まれてから、現在まで、ずっと松原の実家にいます。」
地元への愛着は、学生時代からすでに根付いていた。高校生の頃にはすでに、松原市教育委員会の社会教育グループで郷土の歴史を研究し、地域の調査を行っていたという。そして大学在学中、松原市の市史編纂室誕生と共に誘われ、歴史研究に没頭することになる。

「就職はあまり性に合わないと思っていたので、研究者として自由に学び続けたいと考えていました。」
結果的に、松原の文化財を調査、研究する活動を続けることになり、その積み重ねが、今も市広報誌で連載されている「松原歴史ウォーク」(平成9年1月〜現在333号)となっている。並行して、兵庫の大学で日本史学を教えるようになった。

また、「編集の仕事にも興味があり、歴史関連書の編集にも携わっていました。さまざまな研究者と共同研究する機会もあり、知識を深めることができました。」

研究テーマは、古墳時代の陵墓古墳を中・近世の絵図や古文書などから復元する方法で進めている。同時に、松原市内のさまざまな文化・教育組織に関わり、地域に根付いた歴史研究を続けている。

歴史アカデミーで松原の魅力を伝える

西田氏が長年取り組んできたのが、「学びの場をつくること」だ。その延長線上にあるのが、松原市観光協会が実施する「アカデミー歴史コース」である。

「もともと大阪府には府民・区民カレッジや高齢者大学という生涯学習の場があり、松原市でも公民館の歴史講座や文化活動教室などを開催し、そこで講師を務めます。松原でも同じような取り組みが求められるようになり、昨年から阿保神社を会場に歴史コースをスタートしました。」

「受講者の皆さんからは、『あらためて松原のことが分かった』『阿保親王の歴史を知ることができた』という声が多く寄せられています。特に、阿保神社を軸に地域が一体となって歴史を学べることに、喜びを感じてもらえているのが嬉しいですね。」

今後の展望について尋ねると、「より松原に特化したアカデミーをつくりたい」と力強く語った。

歴史を発掘し、未来へつなぐ

観光協会の活動と並行して、西田氏は松原市文化財保護審議会会長としても、地域の歴史を守る活動を続けている。

「松原には、まだ発掘されていない歴史の断片がたくさん眠っています。例えば、古文書が民家をはじめ、神社やお寺に保管されたまま、日の目を見ていないものも多い。それらを調査し、松原の歴史につなげていくことが私の使命だと考えています。」

さらに、市郷土資料館の館長としても、「松原の歴史をより多くの市民に知ってもらうこと」を重要視している。

「ふるさとぴあプラザの市郷土資料館は、市民の方々にもっと身近に感じてもらいたい場所です。今年で30年以上の歴史がありますが、名前は知っていても入ったことがないという人が多いんです。」

そこで、西田氏は展示の充実だけでなく、より積極的な広報活動にも力を入れ始めた。

「単なる展示ではなく、歴史を体験できる機会を増やしたいですね。例えば、松原の歴史を学ぶイベントや、歴史ウォークのような体験型プログラムをもっと増やしていく予定です。」

また、文化財の保存活動に加えて、西田氏は法務省の非常勤国家公務員として保護司を20年以上、人権擁護委員を15年務めるなど、社会貢献にも積極的に関わっている。

松原の魅力とは?

「松原の魅力は、他の理事が答えるであろう『人の温かさ』だけではありません。」
そう前置きした上で、西田氏は「松原は古代から交通の要所である」と指摘する。

「7世紀にできたと考えられる日本最古の国道・竹内街道や、長尾街道、そして南北をつなぐ中・下高野街道。これらが交差する松原は、昔から大阪のへそ、交通の中心地だったんです。今も松原ジャンクションがあり、都市間の重要な結節点になっています。」

また、交通の利便性だけでなく、「温暖な気候で住みやすい」という点も松原の強みだと語る。

「松原は大きな災害が少なく、犯罪も地域の見守りの力で抑えられています。安全で暮らしやすい町だからこそ、定着率が高いのです。」

「松原にしかないもの」を生かす

最後に、松原市をより魅力的にするために必要なことを尋ねた。

「観光で人を呼び込むためには、『松原でしか体験できないこと』を増やさなければなりません。」

「松原には、全国的にも価値の高い歴史遺産や産業がある。例えば、河内鴨や難波葱といった食文化も、松原で実際に食べてもらうような体験を提供したいですね。」

また、地域経済の発展にもつながる観光施策が求められると語る。

「松原でしかできない体験を増やし、観光客が松原に来ていただける仕組みを作りたい。それが、観光協会の使命でもあると思います。」

「松原が好き」という純粋な想い

「結局のところ、私がこうして活動を続ける理由は、『松原が好きだから』に尽きます。」

西田氏は、松原の文化や歴史を未来に伝えることが、次世代の地元愛を育むことにつながると信じている。

「松原には温かい人がいる。ぜひ、松原に足を運んで、実際にその魅力を感じてみてほしいですね。」

松原の歴史を語り、未来へとつなげる——西田孝司氏の歩みは、まだまだ続いていく。

Writer

松原市観光協会・編集長 真本

松原市観光協会・編集長 真本

おすすめの記事