「人や事業者がつながれば、新たな発想が生まれる」ー松原商工会議所 会頭/松岡特殊印刷株式会社 代表取締役 松岡義則さん
この度、松原や南河内地域で活動する方を取材する、「人」にフォーカスした特設ページを公開しました。
今回は、松原商工会議所会頭で松岡特殊印刷株式会社代表取締役の松岡義則氏のインタビュー記事をお送りします。
会頭に就任し4年目。地域に尽くしたい
2022(令和4)年に松原商工会議所の第18期会頭に就任し、4年目を迎えた松岡義則さん。松原市生まれ、松原市育ち。ずっとこの地で町を見続けてきた。
「まさか自分が会頭職を務めることになるとは思ってもいませんでした。会員の皆さまや事務局の方々に支えていただきながら、歩ませていただいている感覚です」と謙遜する。
そして、「お会いするすべての方が松原市について熱い思いをもって語ってくださり、感動することばかりです。それに応えるべく、引き受けた以上は会員の皆さんや地域のために尽くそう、そういう気持ちでやってきました」と語る。

人のつながりが新しい商品、価値を生む
市内には約4000の事業者があり、その4割が松原商工会議所の会員となっている。就任後に松岡さんが特に注力してきたことの一つが、会員同士の交流だ。ゴルフ大会やボウリング大会、新入会員交流会ほか、様々な交流イベントを企画してきた。また、日ごろはなかなか訪れることが難しい、市内事業者の工場見学なども実施。
「同じ松原で働く異業種の方々とお話することを通じて、『あの会社も頑張っているから、うちも頑張ろう』と励まされることもありますし、新しい発想や工夫が生まれることもあります」
そうした交流が企業同士の連携や新商品開発へとつながり、実際に新しい商品や価値をも生み出している。
「たとえば昨年は名古屋での大型展示会に市内の企業4社が技術を持ち寄って一つの商品を開発して出展しました。そうした技術の連携のヒントが、市内企業のつながりから生まれています。交流の場は単なる親睦ではなく、ビジネスのヒントや地域連携の可能性を広げる場としての役割も担っています。各企業がもつ力を会議所が後押ししていく形をもっと探っていきたいですね」と松岡さんは力を込める。
市民と事業者つなぐ「まつばらマルシェ」
各事業者がどんなことを望み、どんなことに困っているかを知ることが、会頭の大切な役割だと松岡さんは考えている。
「市長との懇談会を毎年設定していただき、産業振興にかかわる要望を直接届けています。また、松原市外から有識者を招き、商工会議所の運営に関する新しい知見やノウハウを取り入れていくことで、会議所としての活動の幅も広がってきたのではないかと思います」
行政と事業者と市民が連携して松原市を盛り上げていくための試みとして「まつばらマルシェ」が実施されているが、2025年秋には第16回を数え、年々活況を見せている。
「まつばらマルシェには毎年約5万人という多くの方がご来場され、松原市の事業者と市民が触れ合う機会になっています。マルシェをきっかけに実店舗を訪れたり、商品を手に取ってみたり、松原でさまざまなものが生産されていることを知っていただけたらうれしいです」
松岡特殊印刷株式会社の歩み
松岡さんが代表取締役を務める松岡特殊印刷株式会社についても聞かせていただいた。
1951(昭和26)年創業の同社は、近鉄「河内天美」駅から徒歩約5分。特殊印刷や箔押し加工を主力とする企業で、食品や化粧品などのパッケージ印刷を手がけている。ヘアケア商品、カレーやチョコレート……、誰もが目にしたことのある有名な商品ばかりだ。

「おなじみの商品のパッケージ加工がこの松原・天美で行われていたということに驚かれる市民も多いですね。印刷業界は競争が激しい分野ではありますが、高級感や質感が求められるパッケージ分野では特殊印刷の需要は依然として高く、多くの発注をいただいています」
特にクリスマスやバレンタインなど、特殊加工の需要が高まる時期には多忙を極めるという。
「スケジュール管理が大変になりますが、品質と納期を必ず守ることが取引先からの信頼につながります。その信頼の積み重ねから新たな受注が舞い込んだ時は、こつこつ真面目に仕事をやってきてよかったと喜びを感じる瞬間でもありますね」
美術鑑賞でインスピレーションを得る
松岡さんの座右の銘は「和を以て貴しとなす」。争っても良いことは何もない、心が乱れれば良いものは生まれない――。穏便に物事を進めるためにはどうしたらよいかを常に考えるという。また忙しい合間を縫って、美術鑑賞や仏像巡りをするのが趣味でもある。
「京都より奈良派です。また、年に数度、東京出張がある際には、会議の前後で都内の美術館へ足を運ぶのが楽しみの一つです。どんな業種であっても、美術鑑賞から得られるものは必ずあります。難しく考えず、作品それぞれからインスピレーションを受け取って自分の中に取り込むことで、何かの場面で活かせることがきっとあると思うんですよ」
地域のつながりの重要性も実感
商工会議所会頭や自社の代表取締役に加え、町会長としても地域活動に積極的に関わっている松岡さん。防犯パトロールや防災訓練の経験から、地域のつながりの重要性を肌で感じているという。
「互いに助け合うことで安心して暮らせますから、町会の活動を通じて地域の人たちとの関係性を築いておくのは大切なことです。町会の活動をすることで、住民と住民の橋渡しの役割を果たしていけたら」
最後に、松原市の将来についてこう言葉をつなぐ。
「松原は人が温かく、支え合える町です。人の力、ものづくりの力、元気な高齢者、若い事業者や女性の力──松原には誇れるものがたくさんあります。そうした風土を大切にしながら、できることを一つずつ積み重ねていくことでさらに発展を目指せるのではないでしょうか。本当に若い人たちが非常に頑張っていて、我々が若い人たちから学ばせてもらっていることはとてもたくさんあり、それは未来への大きな希望でもあります」
人と地域と企業の力を結びつけながら、松岡さんは松原市の未来を見据えている。
Writer
松原市観光協会
松原市観光協会・編集チーム
松原市や南河内(松原市、羽曳野市、藤井寺市、太子町、河南町、千早赤阪村、富田林市、大阪狭山市、河内長野市)にはたくさんの魅力があります。それらの魅力をわかりやすく編集してお伝えしていきます。
