「企業が元気になれば、街も元気に」——松原商工会議所・西所長が描く未来

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松原市観光協会 松原市観光協会

この度、松原や南河内地域で活動する方を取材する、「人」にフォーカスした特設ページを公開しました。

今回は松原商工会議所・西所長のインタビュー内容をお届けします。

金融の世界から松原へ——決断の理由

「大学を卒業してからは、信託銀行に就職しました」
西さんは、自身の経歴を静かに振り返る。銀行業務に加えて不動産や投資信託、遺言など、プラスアルファの知識と経験が積めることに惹かれ、この道を選んだという。北摂エリアを担当し、着実にキャリアを積んでいった。

しかし、心のどこかで「いつかは転職を」と考えていた。
「大阪に拠点があって、地域に密着した仕事がしたい。そう考えていたときに、松原商工会議所の求人に出会ったんです」

父の実家は羽曳野・古市。松原は、車で通過するだけの街だったが、その縁も後押しとなり、商工会議所へ。以来15年、地域と共に歩んできた。

商工会議所での歩みと役割

商工会議所には「総務」「業務」「中小企業相談所」という3つの課がある。西さんは入職当初、業務と相談所の仕事を中心に、事業者の販路拡大や会報誌の発行、健康診断など幅広い業務を担当した。6年間の経験を経て、7年目からは総務課へ。会館の運営や役員会議の他、対外的な連携など、課長職も務めた。

「去年7月からは中小企業相談所に戻り、まつばらマルシェや河内松原駅前のイルミネーションなどに加え、市の委託事業も担当する部署に在籍しています」

朝はメールチェックと幹部との打ち合わせに始まり、課のメンバーと予定を共有。イベント準備や出店者募集、会員企業の訪問や相談対応と、一日を通じて地域と企業をつなぐ活動が続く。

また、松原市雇用開発協会の事務局も兼務し、企業と学生のマッチングといった人手不足解消に向けた活動にも力を注いでいる。

観光協会との関わり——立ち上げの裏側

西さんは観光協会の設立にも深く関わってきた。全国的に「観光立国」が掲げられ、地方でも観光課の新設や観光協会設立の動きが進む中、松原でも議論が始まった。

「まずは松原に何があるのかを整理する必要がありました」
そこで立ち上がった分科会において、西さんは寺社めぐりを核とした観光資源を掘り起こす分野を担当。神社での婚活イベントなどを実施し、滞在型・体験型のプランづくりに携わった。

松原市からの委託業務として観光協会を立ち上げるにあたり、西さんは会議所の役員たちに声をかけ、事務局の一員として設立業務を担った。最初の活動として「地域住民に地元の魅力を知ってもらう」ことに注力。ここから、現在の観光協会の基盤が形づくられていった。

松原の経営者像——愛着とつながり

「松原の経営者には、地元に愛着を持っている人が多いんです」
西さんはそう断言する。代々松原で育ち、会社を構えている人も多く、地域への貢献を大切にする経営者が目立つという。

特徴的なのは「人と人のつながり」だ。
「A社とB社の社長が同級生、というのは珍しくありません。どこかで松原にゆかりがある。だから、口コミの速さや数珠つなぎの広がりも松原ならではだと思います」

市内にはおよそ4,000の事業者があり、そのうち約4割が松原商工会議所の会員。景気に左右されず安定した会員数を維持している背景には、堅実な経営者が多いという土地柄もある。

信頼を築くということ

西さんが日々心がけているのは「信頼関係」だ。
「商工会議所は地域の企業さんが集まって成り立っています。経営者は一国一城の主。だからこそ、上から目線にならず、失礼のない対応を心がけています」

相談を受けたとき、自分で解決できなくても、ネットワークの活用や別の機関につなぐ。
「『西に聞いてみよう』と思っていただければ、それだけでもありがたいです」

松原で描く未来像

二児の父でもある西さんは、休日に子どもをイベントに連れて行くこともある。
「マルシェやイルミネーション、観光協会が実施するイベントに子どもを連れてきて、自分の仕事を見せています。将来、会議所を好きになってくれたら嬉しいですね」

最後に、西さんは今後の目標をこう語る。
「松原商工会議所の存在価値をもっと高めたいんです。相談してよかったと思ってもらえるように。そして、地域の企業が元気になれば松原も元気になる。そんな好循環をつくっていきたいですね」

全国に515ある商工会議所。それぞれが地域の商店や事業者を支える役割を担う。西さんの挑戦は、松原の企業を、そして街を元気にするために続いていく。

Writer

松原市観光協会

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松原市観光協会・編集チーム
松原市や南河内(松原市、羽曳野市、藤井寺市、太子町、河南町、千早赤阪村、富田林市、大阪狭山市、河内長野市)にはたくさんの魅力があります。それらの魅力をわかりやすく編集してお伝えしていきます。

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