日本の伝統工芸士!欄間の職人さんにインタビュー

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アバター 阪南大学 インターンシップ生

松原や南河内地域で活動する方を取材する「人」にフォーカスした特設ページ第5弾

松原市にある高橋商店で欄間を作られている高橋孔明さんにインタビューを実施しました。欄間とは、和室等における通風や採光のために建具上部に設けた開口部のことをいいます。また、品格を表すための室内装飾として、世界中にファンの方がいらっしゃいます。

インタビューを通じ、欄間だけでなく、高橋さんの人柄についても知ることができました。

人生は一期一会、繋いでいく欄間への想い

ー本日はお時間を頂き、ありがとうございます。はじめに自己紹介をお願いします。

こんにちは、高橋孔明です。現在、欄間の伝統工芸士として活動しています。工芸士になろうと思ったきっかけは高校2,3年の時、先生から進路を催促されたことです。当時、夢がなかった中、担任の先生から「早く進路決めてね。お父さんの後継いだらどう?」と言われ、何も考えず、その喧嘩言葉を買ってしまいました。「やってやるぞ」っていう精神で。

―なるほど!それがきっかけだったんですね!作業場に入った瞬間から様々な欄間の作品が目に入ったのですが、これらの作品にかかる製作期間はどのくらいですか?

例えば、だんじりの装飾や太鼓の模様を制作するのに2年かかります。最長でも3年かな。彫るために必要な下書きもあって、それは1か月かかることもあったり、集中して気が乗るときは1日で終わる時もあったりね。

―この下書きを1日で書き終えることができるのってすごいですね!こういったデザインはどこから着想を得ていますか?

何かを参考に見ながら書くのではなく、全て自分で考えながら書いています。映画など見ていて、出てきた登場人物やキャラクターからインスピレーションを受けて、躍動感を出すための参考にしていることもあります。そのため、鑑賞中にもつい欄間のデザインを考えてしまうことも多いね。

―常に欄間のことを考えているんですね!では、こういった作品はどこから依頼を受けていますか?

企業からは「りくろーおじさん」や「力丸グループ」の看板、松原市からの贈り物や贈呈品を作ってほしいと市長から依頼されることもあります。だんじりやお寺の彫刻も作ったりしてるよ。

―色んな作品を作られているのですね。作品が完成した時はどのような気持ちになりますか。

ホッとするかな。完成した後は、感動するという気持ちよりも安堵の気持ちの方が強いです。ただ、神社の扁額(神社の鳥居や社殿、寺院の本堂などに掲げられている看板)の依頼を受けた時は、お参りする方が手を合わせてお祈りしている姿を見て嬉しくなりました。

―素敵ですね!そこまで続けることができるモチベーションは何ですか?

一番はお客様が喜んでくれることです。彫刻士をやっていると、出会いもたくさんあります。先輩の作品や写真集ですごい作品をみると「こんな世界があるのか!」「私も彫りたい!」と、驚きの上に欲が出てくるね。

あとは、自分の作品をひ孫が周りに自慢してほしい気持ちも繋がっているのかも。

―自慢になりますよ!私だったら自慢しちゃいますけどね!ちなみに、様々な経験をされている中で、一番苦労したことがあれば教えてください。

お寺からの依頼が2本被ってしまったときかな。仕上げなければいけないだんじりの装飾が6個ありましたが、叩き道具が少なく非常に苦労していました。当時は、競い合う相手もおらず、技術を高め合えませんでしたが、困難に直面しているときに父の弟弟子が助けに来てくれました。作品を作成していく中で、数をこなして失敗することや、吸収しようとするとする気持ちの大事さなど勉強になることがありました。「習うより慣れろ」を実感することができました。

―もし、生まれ変わっても欄間の工芸士になりたいですか?

なりたいね。欄間が必要とされ続ける限り欄間に携わりたい想いがあります。また、生まれ変わったら今よりもいい作品を制作したいです。やっぱり「極めたい」「何十年かけてでも自分の納得のいくまで取り組みたい」という気持ちが強いです。

―本日は貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。最後に、読者の方へ特に伝えたいことはありますか?

欄間というものをまだまだ色んな人に知って頂きたいです!神社の扁額などにこの技術が活用している、こういう仕事をしている人がいるということを発信してほしいです。また、松原マルシェでは体験会なども行うので是非みなさん来てください!

あとがき

日本でも数少ない欄間を作っている伝統工芸士の方々。そこで今回松原市と関係が深い高橋さんにインタビューしました。欄間という歴史のあるものを制作する中での過程や作品に対しての想いなど様々なことを教えて頂きました。

みのりん:正直はじめは欄間というものを知らなかったけど、高橋さんのお話を通じ、その魅力に引き込まれました。とてもフランクな方で、インタビュー中は楽しく、ずっと笑っていました(笑)。その中で、欄間から高橋さんの過去まで幅広く知ることができ、貴重なことであり私自身嬉しかったです。欄間は和を感じる日本の工芸品なので、もっといろんな人に知って頂きたいなと感じました!

みゅう:初めて欄間というものに触れて、事前に調べていた時よりも実際に見るとさらに凄さを実感しました。また、身近ではあまり出会うことができないような伝統工芸士の方とも沢山お話することができてとても貴重な時間を過ごすことができました。髙橋さんありがとうございました!

さやか:欄間についてのお話を伺う機会は初めてで、下書きの絵や制作している姿を間近で見て圧倒されました。高橋さんが、「生まれ変わっても欄間と関わっていきたい」と直ぐにお答えされたときは、欄間に対しての想いが伝わってきました。私も人生の中で熱中してできる何かを見つけたいと強く思った瞬間でもあり、伝統工芸士として仕事をする魅力を感じました。

もえ:人生で初めて欄間という、繊細かつ迫力のある伝統工芸品に触れさせていただきました。高橋さんの作品が私たちの日常に登場していたことに驚きました。このような機会でしか、欄間を知ることはなかったのかも知れません。高橋商店さんにインタビューをする機会を与えてくださり、本当に有難い気持ちでいっぱいです。お客様の笑顔を思いながら一つ一つ丁寧に欄間を作り上げる高橋さんについて、少しでも多くの方に知っていただきたく、みんなで記事を書かせていただきました。ご覧いただきありがとうございます。

Writer

阪南大学 インターンシップ生

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